• 「税理士事務所って具体的にどのような仕事をしているの?」
  • 「個人事務所や税理士法人があるけど違いはあるの?」
  • 「就職した後のキャリアプランはどう立てたらいいの?」

このように、税理士事務所という名前は聞いたことがあっても、その内情について疑問や不安を抱いている方は多いのではないでしょうか?

この記事では、税理士事務所へ就職する際に注意すべき点や、選び方のポイントについて紹介しています。

なお、結論としてはヒュープロという転職エージェントを使うべきです。というのも、会計税務に完全特化した転職エージェントとして、ヒュープロの評判は非常に良いからです。

税理士事務所への就職や転職を考えている方や、税理士事務所でのキャリアアップに関心のある方はぜひ読んでみてください。

目次

税理士事務所への就職の際、選び方のポイント【3選】

税理士事務所への就職の際、選び方のポイントは3つあります。

得意とする業種・専門性はあるか?

税理士事務所を選ぶ上で始めに意識したいポイントは、事務所の特色や専門性です。税理士事務所によっては、たとえば医業や不動産業・社会福祉法人やNPO会計に特化していたり、中には相続業務をメインに行っていたりするケースもあります。自身のキャリアプランとして「相続関係に特化したい」「特殊法人の会計・税務に強い税理士になりたい」などといった方向性を決めている場合は、そちらを伸ばしていけるような税理士事務所を選ぶほうがいいでしょう。

個人事務所と税理士法人の違いについて

税理士事務所には税理士が一人以上である個人事務所と、税理士が二人以上であり法人化している税理士法人の二通りあります。一般的には従業員数は個人事務所の方が少なく、税理士法人の方が多くなる傾向となります。個人事務所の場合は税理士が所長先生一人というケースが多いため、事務所全体の方針が完全なるトップダウンとなっていることが多くあります。それにより研修制度や福利厚生など待遇面でも事務所によって大きく異なります。業務面についてはクライアントも中小零細企業や個人事業者がメインとなるため、基本的には分業ではなく全体の仕事に関わることとなるため、幅広い経験を積むことができます。それに対し、税理士法人は税理士が二人以上在籍し組織化されているため、教育制度や福利厚生、給与面などで個人事務所より好待遇であることが多いです。従業員数も多くなる傾向であるため、未経験であってもスキルアップしやすい環境が整っています。業務面については個人事務所と比べ仕事量が多い傾向にあります。税理士法人によっては社内が部門別に分業制となっており、特定の分野の業務に集中するケースもあるため、幅広い業務を経験したいと考えている場合は注意が必要です。

自身のキャリアやスキルは活かせるか?

税理士事務所で求められるスキルには、会計や税務の知識以外にもいろいろなスキルが求められます。会計処理も以前は手書きの伝票でしたが、現在は会計ソフトを使用するケースが大半でExcelやWordなどのPCスキルも必要となってきます。クライアント先に訪問し経営者や経理担当者と打合せを行うことも多くあるため、コミュニケーション能力は特に重要となります。これらの事は、働きながら自然と身につけていくことも出来ますが、転職の場合など自身にキャリアや特定のスキルがあるのであれば、それらを活用し伸ばしていける税理士事務所を選ぶことをおすすめします。

税理士事務所に転職する際、後悔しない為のポイント【3選】

税理士事務所に転職する時、後悔しない為のポイントは3つあります。

一般企業から税理士事務所へ転職する場合の注意点

税理士事務所は業務内容や企業文化、業界の特性などにおいて一般企業と大きく異なる部分があります。税理士の平均年齢は60歳以上となっており、事務所によっては価値観や考え方が古いままであったり、デジタル化が進んでいなかったりすることもあります。慢性的に人手不足の事務所の場合、入所して研修や引継ぎが乏しいまま、いきなりクライアント先へ訪問するといったケースも存在します。給与面でも、税理士事務所の職員は一般的な事務系の給与水準と同等となるケースが多いため、転職の際は平均年収や社会保険などの加入の有無について注意してください。あと、税理士事務所には確定申告時期など特定の業務が集中する時期がありますので、事務所によっては残業時間が増えることや思ったように休日が取れない場合があるため注意が必要です。

自分自身の価値観や働き方を考慮すべき

近年の働き方改革や、ワークライフバランスといった言葉のとおり、転職を考える上で年間の休日日数や残業時間などの要素が重視される傾向にあります。税理士業界では、以前から繁忙期については休日出勤やサービス残業が当たり前のように行われていました。その理由としては、税理士事務所の業務の多くが期限付きであることが多いことや、確定申告など特定の時期に業務が集中することなどがあります。このような背景があるので、税理士事務所への転職を検討する際に、自身の価値観として勤務時間や休日の取りやすさを重視するのか、幅広い経験を積みキャリア形成を目指したいのか、何を重視するかによって探すべき事務所がまったく異なってきます。税理士事務所によってはフレックスタイム制度やリモート勤務を導入していたり、ノー残業デーを設けていたりするのでミスマッチングのないようにしっかり確認をするようにしてください。

事務所内の雰囲気や人間関係について

仕事をする上で人間関係は特に重視するポイントであるといえます。税理士事務所は事務所ごとの当たり外れが特に大きくなる傾向です。個人事務所の場合は労働環境や給与水準など所長税理士の判断のみにより決まっていることが多くあり、それにより良い事務所と悪い事務所が極端に分かれるケースも見られます。従業員数が5~10人未満である税理士事務所も多くそのような場合、事務所内の雰囲気や人間関係が特に重要となります。転職活動を行う際に、面接時に質問し確認することはもちろんのこと、可能であれば入所前に事務所内の見学や従業員との面談なども行うことをおすすめします。

税理士事務所への就職に、最も適した時期は?

税理士事務所への転職に適した時期の選び方は、3パターンあります。

どれかを選ぶ、または組み合わせて自分に合った時期を選びましょう。

繁忙期は避ける

税理士事務所の繁忙期は12月~5月(年末調整~3月決算法人の申告)と言われています。未経験の場合はこの繁忙期中の転職は避けたほうが無難です。この時期は事務所内が申告期限に追われ新人の教育と業務を両立することが難しくなるため、おすすめできません。逆に経験者である場合は繁忙期前の11~12月ごろの就職が適した時期となります。この時期に求人をかけている事務所は、繁忙期に向けて必要に迫られて即戦力を募集しているケースが多いため、高確率で採用されると思います。そのため、この時期に採用される場合は待遇が良い傾向にあります。

税理士試験の日程を考慮する

税理士事務所への就職を考える上で一番おすすめの時期は5~6月となります。この時期は税理士事務所内で一般的に最も多い5月申告法人の決算が終わり、繁忙期がひと段落したタイミングであるため求人数が増えてきます。税理士試験が8月にあり、試験後は受験生が一斉に就職活動を開始するため、競争が激しくなります。それを避けるため、受験中の方でも6月頃に、できれば税理士試験の勉強に対し理解のある税理士事務所を探すことをおすすめします。

その他の時期

その他の時期についても、税理士事務所は全体として人手不足の傾向があるため、人材が足りなくなったら常時採用活動を行っています。中には規模拡大のために求人をかけていることもあるので、時期には拘らず自身のキャリアアップのタイミングに合わせて、就職・転職を検討することも重要です。

税理士事務所の年収はいくら?

税理士事務所の正社員の年収の相場は地域にもよりますが、未経験の場合は250万円~350万円程度になり、経験者の場合は350万円~500万円程度になります。事務所によっては、税理士試験の科目合格をしていれば、別途手当がつくケースなどがあります。税理士の資格を取り、税理士事務所内での資格保有者となったり、税理士として独立をしたりすると年収も1,000万円以上に伸ばしていくことも可能であり、働き方によって大きく異なってきます。

税理士事務所での仕事内容、分かりやすく解説!

税理士事務所の仕事内容として代表的なものは、税理士の独占業務に係る業務があります。税理士は国家資格であり税理士資格のある者だけが行える業務があり、もし税理士以外の人がこれらの業務を行うと法律により罰せられることとなります。独占業務としては、税務書類の作成・税務代理・税務相談の3つがあります。

税務書類の作成

税務書類の作成とは、法人や個人事業者が税務署への提出を義務付けられている確定申告書や、会計データを収集し作成する月次・年次決算書、相続に係る申告書や届出書、法定調書や源泉徴収関係書類など様々な税務書類の作成を、税理士が代行して行うことをいいます。税務書類は提出期限が定められているものや、提出の有無により納税額が変わるものもあるため、税理士がその知識を活かして行うものであり、税理士事務所の中心的な業務となります。

税務代理

税務代理とは、税理士が各種申告書の提出や申告をクライアントの代わりに行う業務となります。これらの申告は本来、納税者自身が行うものであるが申告や納税の仕組みは複雑で、かつ、毎年税制改正によりルールが変わるため、それらを税理士が代行・サポートをします

税務相談

税務相談とはその名のとおり、クライアントから税務に関する相談を受ける業務です。脱税など法律に反することはできませんが、会計処理の方法や申告時に適用する規定などにより納税額が変わることが多くあります。そのため、税理士はクライアントに対し、税法の範囲内で納税額が最小になるよう提案やアドバイスを行うこととなります。クライアントにとっても税理士事務所が、経営や納税についての一番の相談相手となることが多いため、とても大切な業務となります。

税理士事務所に向いている人の特徴は?

税理士事務所に向いている人の特徴は、3パターンあります。

数字に強くまじめである人

税理士事務所ではあらゆる業務において数字を扱うことが中心となります。クライアントの会計データを作成したり、資金繰りの数字をまとめたり、事業計画の作成や決算報告の資料を作成することもあります。これらの数字に対する正確性や数字のずれに対する敏感さが求められるので、数字に対して抵抗感のない方が向いています。

コミュニケーション能力が高い人

税理士事務所のクライアントは相続など一定の場合を除き、企業の経営者や個人事業主となります。経営者から要望や悩みのヒアリングを行い、適切なアドバイスや提案をするためにもコミュニケーション能力は必須です。税理士事務所によっては、事務所内での仕事が多いポジションもありますが、事務所内のメンバーとの円滑なコミュニケーションを行ううえでも必要であるといえます。

向上心と知識欲がある人

税法や会計に関するルールは、税制改正によって毎年変化しています。近年ではクラウドやITの活用が進んでいることもあり、仕事のやり方自体も大きく変化しています。税理士事務所では常に最新の情報や知識を吸収し、クライアントに対し情報を発信していく必要があります。なので継続的な勉強ができる方や、変化に対し柔軟な思考が持てる方は税理士事務所に向いているといえます。

税理士事務所に就職する際の選び方に関する質問&回答

税理士事務所に就職するのは難しいですか?

税理士事務所は地域にもよりますが一定数の求人は常に出ている状態です。先述した就職に適した時期に探せば就職は難しくないといえます。

税理士事務所で働くには、まず何をすべきですか?

税理士事務所で働くためにまずおすすめなのは、資格の取得です。簿記検定・MOS検定・情報処理検定・FPに関する資格があると有利となります。あと、税理士事務所の業務の中には年間のスケジュールが概ね決まっているものがあります。それらを解説している書籍(例:会計事務所の仕事がわかる本・税理士事務所で働こうなど)を一読しておくと、働く際のイメージがしやすいと思います。

税理士事務所からの転職先には、どのような選択肢がありますか?

税理士事務所から転職をする際の選択肢は以下のものがあります。

  1. 一般企業の経理
  2. 他の税理士事務所や公認会計士事務所
  3. 関与しているクライアント事務所への転職

これらの他、税理士の資格を取り独立する、若しくは、勤めている税理士事務所を税理士法人化することなども選択肢となります。

税理士事務所で働くメリットは何ですか?

税理士事務所で働くメリットは下記のとおりです。(なお、詳しくは税理士事務所に就職するメリット3選で具体的に解説しています)

1.税務や会計に関する実務経験を積める

税理士事務所で働く上での一番のメリットは、税務や会計に関する実務経験が積めることにあります。税務や会計に関する専門知識を磨き、毎年のように変わる税制やルールに対応することができれば自身のキャリアについて、大きなメリットとなります。なお、税理士試験に合格後、税理士資格を取得する場合にも実務経験が必要となります。

2.多様なクライアント企業の業務に関わることができる

税理士事務所のクライアントには実に様々な業種があります。一般企業では自社の業種しか見ることができませんが、税理士事務所ではクライアントの経理や税務のサポートをしていくことで、幅広い業界の知識や経験を得ることができます。

3.税理士試験や他の資格試験の受験に対して理解がある

税理士事務所によっては、税理士資格の取得に対しサポートしてもらえる事務所もあります。たとえば、試験前や直前期に休暇があったり、受験費用などの一部を支援してもらえたり、受験に対しての相談やアドバイスをもらえたりなどがあります。

税理士に向いている人の特徴は?

税理士に向いている人の特徴は、下記のとおりです。

1.正義感のある人

税理士法の第1条には「租税正義の実現」が定められています。そのこともあり、税理士は税務に関する専門家として租税正義の実現を目指して、事務所経営・社会貢献を行います。正義感があり、クライアントの信頼にこたえることができる方は税理士に向いているといえます。

2.自主的な勉強ができる人

税理士試験に合格し税理士になった後も、税理士として仕事を続ける限り、勉強を続ける必要があります。そのため、新しい知識の習得を楽しめる方や、迷った時に自分で進んで調べ・解決していける方は税理士に向いています。

3.経営に興味のある人

税理士のメイン業務の一つは、クライアントの会計・税務を代理することとなります。その際に、クライアントの経営そのものをチェックしていくこととなるので、企業経営に直接関わることができます。経営者からアドバイスを求められることも多くあるので、経営に興味がある方の方が税理士には向いています。

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