税理士事務所に向かない人の特徴【3選】

どんな職業にも、適性や性格による向き不向きがあると思いますが、税理士業にはどのような人が向いているでしょうか?

この記事では、税理士事務所に向かない人の特徴や、実際に税理士事務所を選ぶ際のポイントなどを紹介しています。

税理士試験の受験と仕事の両立を考えている方や、税理士事務所の仕事に興味のある方はぜひ読んでみてください。

目次

税理士事務所に向かない人の特徴【3選】

税理士事務所で求められるスキルには、どのようなものがあるでしょうか。ここでは税理士事務所で働くにあたって、向いていないと思われる人の特徴を解説していきます。

数字を扱うことが苦手

税理士事務所の業務の多くが数字を取り扱うものとなります。クライアントの会計データの入力や事業計画・決算書の作成など、数字がずれてしまっては問題である業務がほとんどです。細かい数字の確認をしたうえで、正確な処理が日常的に求められます。数字への苦手意識や細かい確認が得意でない方は、税理事務所には向いていません。

勉強や新しい知識の習得が好きではない

税理士事務所の業務に必要な会計や税務のルールは、税制改正によって毎年変わります。クライアントの経営者と話をするうえで、リアルタイムな経済情勢や政策の知識なども必要となってきます。税理士事務所で働いている限り、自身の知識のアップデートは必ず必要となりますので、あまり継続的な勉強が得意ではないなというような方は向いていないといえます。

ストレスやプレッシャーに弱い

税理士事務所は、繁忙期や確定申告期限には多くの仕事が集中します。そのため、申告期限に遅れないように対応したりと、繁忙期には残業時間が増えることも多いです。このような働き方に適応できない方や、プレッシャーやストレスに弱い方は、税理士事務所での業務に向いていないかもしれません。

税理士事務所の雰囲気が悪いって本当?

税理士事務所は、一般企業とは少し異なる雰囲気であることが多いです。事務所内の雰囲気の良し悪しは、所長税理士によって大きく違ってきます。税理士が一人である場合や小規模な税理士事務所では、事務所の業務の多くに所長が直接関係してきます。そのため、所長の性格や価値観などが事務所全体の雰囲気に影響を与えることとなります。実際にその事務所で働いてみる前に、面接や事務所見学などを利用することにより、事務所内の雰囲気や人間関係を感じてみることをおすすめします。

税理士事務所ではストレスが溜まる?

税理士事務所の業務は税法を扱ったりと、高い専門性や責任が求められる業務が多くあります。ここでは税理士事務所でストレスのかかる大きな要因を、3つに絞って紹介します。

繁忙期に業務が集中する

税理士事務所では年末調整処理や確定申告など、特定の業務が集中する時期があります。特に、1~3月の個人事業者の確定申告時期が繁忙期のピークとなります。この時期は申告期限までに申告書を仕上げなければいけないプレッシャーや、残業時間の増加によって大きなストレスがかかります。

クライアントへの対応

税理士事務所には、個人事業者や中小零細企業・特殊法人まで様々なクライアントがいます。クライアントとのコミュニケーションや相談ごとへの対応なども重要な業務の一つとなります。相談内容によっては専門的な内容もあり、問題解決に時間や大きなストレスがかかる場合があります。

業務への責任や専門性

税理士事務所では、会計や税務への高い専門性と知識が必要とされます。措置法の適用の有無や届出の提出漏れなどにより、クライアントの納める税金の額が大きく変わるケースもあります。少しの情報の誤りやミスにより大きな影響を及ぼす可能性があるため、その責任を感じることがストレスへの要因となる場合があります。

「会計事務所に疲れた」という声をよく聞くけど、本当??

会計事務所で働いている人の意見として、仕事に疲れたという声を聞くことは多くあります。どのような要因があるのかを、いくつか紹介します。

ルーティーンの業務と期限

会計事務所では、年間を通してスケジュールが決まっている業務が多くあります。毎年、同じような時期に似たような仕事をしていることに対してマンネリ化してしまったり、期限に追われ続けてしまい、疲れてしまったということがあるようです。

業務の専門性と複雑さ

会計事務所での会計や税務の業務は、複雑で専門的な知識を必要とします。業務において難しい課題に直面したり、複雑な税制改正や規制の変更に対応していく必要があることから、疲労感を感じてしまうという声が聞かれます。

コミュニケーションや人間関係

会計事務所では一般的に異動や転勤がないことが多いため、人間関係などが固定化される傾向にあります。事務所内での人間関係に馴染めない場合や、代り映えのない環境により疲れてしまうということも多いです。クライアントに対しても密にコミュニケーションを取る必要があるため、人間関係に疲れたということがあるそうです。

会計事務所あるあるを紹介します。

会計事務所には業界特有のあるあるがいくつか存在します。ここではその中の一部を紹介します。

仕事を教えてもらえない

会計事務所では、仕事を教えてもらえないというあるあるもよく耳にします。その主な理由を3つ紹介します。

①教育制度が整っていない

会計事務所には小規模な事務所が多いため、研修制度やマニュアルがないというようなところも多く見受けられます。人手不足であることも多く、先輩社員も自分の業務に手一杯となってしまい、新入社員の教育に手が回らないという場合も多いようです。

②調べるという文化

会計事務所の業務では過去の事例を調べたり、税法の条文を確認したりということが必要となります。似たような状況でも案件によって回答が異なる場合もあり、そのような場合は自分で調べるという作業が必須となります。明確な答えがないことも多いため、教えたくても教えられないというケースも存在します。

③職場の風通しや人間関係

仕事を教えてもらえないという理由の一つに、事務所内の風通しが悪い場合や人間関係が希薄であるということが挙げられます。上下関係が厳しかったり、事務所内の雰囲気がピリピリしていたり、聞いてもなかなか教えてもらえないという声も聞かれます。

クライアントに先生と呼ばれてとまどう

クライアントの中には、会計事務所のスタッフ全員が税理士であると思い込んでいるケースがあります。そのようなクライアント先へ訪問した場合には、新入社員であっても先生と呼ばれることがあります。始めに先生扱いをされた時は、とても戸惑いましたがそれだけクライアントから信頼をされているということだと感じ、身が引き締まります。

所長税理士の人柄がやばい

税理士の中には、会計事務所で勤務→税理士として独立をしていて一般企業に勤めた経験がないという人も多く存在します。そのような場合、所長税理士が税理士業界しか知らないということにより、世間知らずである場合や考え方が凝り固まってしまっているケースもあります。

仕事と税理士試験の勉強との両立ができない

会計事務所で働く人の多くが、税理士試験の勉強をしながら働いています。仕事と勉強の両立ができるかは、本人の努力によるところも大きいのですが、その事務所の環境にも大きく影響されます。所長税理士が税理士試験への挑戦について前向きであれば良いのですが、中には税理士試験に合格したら独立して辞めてしまうと考え、試験への挑戦に前向きではない場合もあります。所長税理士の考え方によって、仕事と税理士試験の両立の難しさが変わってしまうため、入所前によく見極める必要があります。

税理士事務所への就職時の選び方を解説。

税理士事務所への就職を考えた際に、どのような事務所を選べばいいか分からないということも多いと思います。ここでは税理士事務所の選び方のポイントを3つに絞り解説します。

なお具体的な話は税理士事務所への就職、選び方のポイント【3選】で紹介しています。

業務内容や専門性

税理士事務所の業務は一般的な税務申告だけではなく、財務コンサル、国際税務、資産税など幅広くあり、事務所によっては特定の業種や分野に特化しているところもあります。税理士事務所を選ぶ際は、自身の興味や将来のキャリアプランに合致した事務所を選ぶことが重要となります。

ワークライフバランス

税理士事務所では、確定申告など特定の時期に業務が集中し、休日出勤や長時間の残業をしなければならないということがあります。その中でも、事務所によってはフレックスタイム制度やリモートワークの環境を整えていたりと、ワークライフバランスを重視しているところもあります。自身がキャリアを重視するのか、休日日数や残業時間を重視するのかなどによって、選ぶべき事務所が変わってきますのでしっかり確認をするようにしてください。

事務所の雰囲気や評判

税理士事務所は少人数で構成されている場合が多いため、事務所内の雰囲気や人間関係は特に重要となります。働く環境がワンフロアであることも多いので、事務所内の風通しが良くないと仕事がとてもやりにくくなります。事務所によってはホームページに所長税理士や従業員の写真、事務所の経営理念などを紹介していたりすることがあるので、そちらを確認することとおすすめします。

税理士事務所に就職する際の選び方に関するよくある疑問

税理士事務所への転職に関するよくある質問は下記のとおりです。

税理士事務所は入れ替わりが激しい?

税理士事務所の従業員の入れ替わりは、激しい傾向であるといえます。新入社員が仕事を教えてもらえずすぐに辞めてしまうという場合や、税理士試験に合格したことにより事務所を離れるといったケースも存在します。その反面、事務所の風通しが良かったりする場合など、入れ替わりがほとんどないような事務所も存在します。

税理士事務所の人間関係で注意すべきことは?

税理士事務所の人間関係で一番注意すべき点は、所長税理士の人柄であるといえます。税理士事務所の業務は、最終的に税理士の署名が必要な場合がほとんどであるため、業務で所長税理士と接する機会が多くなります。事務所の経営にあたっても所長税理士が強い決定権を持っているため、所長の人柄や方針が事務所の人間関係全体に影響を与えます。

税理士はコミュ障でもなれますか?

税理士業務の多くは、事務所内での情報共有やクライアントとのコミュニケーションが必要となります。しかし、コミュ障では税理士業務ができないかと言われると、そのようなことはありません。近年では対面ではなくリモートでの打合せを取ることもできますし、コミュニケーションが得意な従業員を雇うということもいいでしょう。もちろん最低限のコミュニケーション能力は必要となりますので、コミュニケーションに対し苦手意識があったとしても、磨いていく努力は必要であると思います。

税理士への適性診断方法は?

税理士への適性診断というと、会計や税務の知識に関するものというイメージがあるかもしれませんが、それだけとは限りません。簿記の知識に限らず、一般常識や経営に対する知識なども必要となります。自身の適性を判断するには、性格検査によく用いられるMBTIなどを利用するといいでしょう。

税理士の年収はどのくらい?

税理士の年収は独立開業しているのか、企業内税理士として働いているかなどにより大きく異なります。地域差もありますが、企業内税理士の場合の年収は、500万円~1,000万円程度となります。税理士として独立開業している場合は、事務所の規模にもよりますが年収1,000万円~3,000万円以上も夢ではありません。

税理士の仕事ってしんどいですか?

税理士の仕事は、厳しいスケジュールや高いプレッシャーによりしんどいと感じることがあります。その具体的な要素を3つ紹介します。

1.繁忙期に業務が集中する

税理士業務は特定の時期に業務が集中することとなり、特に確定申告時期が繁忙期のピークとなりとても忙しくなります。クライアントからの突発的な相談に対応しつつ、申告期限内に業務を完了するために長時間の残業が発生し、しんどいと思うことがあります。

2.クライアントとの関係性と責任

税理士は業務の性質上、クライアントと深い関係を構築し維持していく必要があります。クライアントからの相談や期待に応えるために、全力で対応していかなければなりません。クライアントの確定申告書の作成業務などにおいて、正確性や明瞭性を保つことが非常に重要となります。一つの誤りやミスにより大きな影響を及ぼす可能性があるため、税理士としての責任やプレッシャーがしんどいと感じることがあります。

3.税制改正への対応

税理士業務において用いる税法は、税制改正によって毎年変更されます。税理士は法律の専門家として、これらの変化に常に対応しなければなりません。知識をアップデートし、クライアントに対して最良の提案ができるように、常に努力し続ける必要と責任があります。変化に迅速かつ、正確に対応していくための負担やプレッシャーを感じることも多いです。

税理士の仕事のやりがいを教えてください

税理士のやりがいは年収面だけではなく、社会貢献や専門家としてのやりがいがたくさんあります。経営者としてビジネスの成長や発展を目指していくこともやりがいの一つであり、クライアントの税務や会計に対するアドバイスを提供することにより、感謝や信頼を得ることも税理士としてとても魅力的なやりがいであるといえます

税理士ってどんな人が向いている?

税理士として向いている人の特徴には以下のようなものが挙げられます。

1.勉強が好きで向上心がある

税理士は会計や税法について、常に最新の知識へとアップデートする必要があります。専門知識を向上させていくためにも、勉強が好きで向上心のある人は税理士に向いているといえます。

2.人とのコミュニケーションが好きである

税理士として仕事を行う上で、クライアントとのコミュニケーションは非常に重要となります。クライアントの要望やニーズを引き出し、それに対応していくためにコミュニケーション能力は必須であると言えるかもしれません。そのため、人とコミュニケーションを取ることが好きな人や得意な人は税理士に向いています。

3.数字に強く細やかな注意力がある

税理士の仕事では、数字を1円単位まで合わせるということが求められます。数字のずれや些細な違和感に気づくことができるかどうかにより、仕事の質に影響を与えます。細部への注意力があり正確な仕事ができる人の方が、税理士には向いているといえます。

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